月から堕ちたアリス
高校2年になったある日、あたしは歩に告白した。



結果はあっさりOK。
ただし条件で、あたしたちが付き合うことは内緒にするように言われた。


でも、付き合えることがすごく嬉しかったんだ。

















――だけど、やっぱりあの噂は全部本当だったらしく…



付き合っているはずなのに、ひどく虚しかった。



それでもあたしは歩が好き。





だからあたしは今でも、虚しいなんて気持ちは押し隠して歩と付き合っている。





























「あれ??アリス、歩はー??」

『あ、何か急用で友達のとこ行ったみたい。』

「どうせまた女のとこじゃないのー??」

「いい加減取っ替え引っ替えすんのやめれば良いのに。」

「取っ替え引っ替えってかたまに重複してんじゃん。」

「まぁ歩が女遊びしてなかったら歩じゃねぇよな。」

「確かに!!!!」



みんなが笑う中、あたしは胸が痛むのに耐えた。



みんなは歩とあたしのこと知らないから仕方ない…













…でも、胸が苦しいよ。
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