月から堕ちたアリス
『ねぇやめようよ!?あんなのと戦ったら死んじゃうよっ!!』

「…優。」



ラビは火を交わしながらドラゴンに距離を詰める。


もちろんあたしを抱えたまま。



「俺達は何のために旅をしてる??」

『それは…あたしの記憶と力を取り戻して女王の支配を止めるためでしょ…??』

「うん。……だったらさ――…」

『…??』























ラビはドラゴンの背に一発蹴りを入れた。





――グギャッ…!!!!――





呻き声が響き、蹴りが効いたのかドラゴンは動きが鈍くなった。


























「――俺達はこんなところで負けたりしないよ。」



そう言ってニコッと笑ったラビ。


そしてあたしのお腹の辺りを片足の上に乗っけてひょいっと持ち上げる。



『ちょっと…何する気?!』

「ちょっと手荒な方法だけどゴメン。文句は後で聞くからさ??受け身のときは頭を両手で抱えてなるべく縮こまってね。」

『何言って…』

「俺もすぐ行くからさ。」

『――まさかっ…!!』




























「先に上行ってて。」



何をするのか気付いたときには、ラビはもうあたしを階段へ足の力で飛ばしていた。



『ラビ――――!!!!!!』
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