月から堕ちたアリス
――ドサッ…――



ラビに言われた通りの受け身を取った。


若干鈍い痛みが走ったが、すぐさま起き上がりラビの方を見る。



『ラビを残してあたしだけ行くなんてできないよ!!』

「目的を忘れるな!!!!」

『っ?!』

「何があっても救世主(アリス)だけは前に進まなきゃならないんだよ…!!早く行け!!!!」

『そんな…』

「それに言ったでしょ??俺結構強いって。…俺を信じてよ??」

『…………。』



あたし達が話をしていると、ドラゴンは痛みが薄れてきたのか辺り一帯にまた火を吹き始めた。



そして、くるりとあたしの方を向いて口を開けた。



『ラビ…1つだけ言っておくよ。』

「…ん??」



































『――あんたを信じる。…だから、来なかったら絶対許さないんだからっ…!!!!』

「………上等!!!!」



そしてあたしは一気に階段をかけ上がった。



ドラゴンは火球を放ち、それは階段の入り口を破壊した。



入り口がガラガラと崩れ、砕けた壁により上への道は塞がる。



「(どうやらこの空間の壁は破壊できるらしいな…。…俺が追い付くまで無事でいてくれよ、優。)」



ラビは静かにそう思った。
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