月から堕ちたアリス
「あーあ…1人逃がしちまった。やってくれるじゃねぇか、白兎。」



ラビは目を見開いた。


そしてその声の主、



――ドラゴンを見る。



「…お前、喋れんのか。」

「まぁな。ただのドラゴンじゃねぇんだよ、俺は。」

「へぇ…まぁどうでも良いけどさ。」

「んだとっ?!お前白兎のくせにムカつくな!!!!」

「…だったらどうする?!」

「…決まってんだろ。」



ドラゴンの口から火の粉が散る。



「…ぶっ潰してやる――!!!!」



ドラゴンはラビに向かって火球を立て続けに放った。




――ドオオォォォーンッ!!!!――



ラビのいるところに火球が当たり、そこは火の海と化した。



「…ふんっ他愛もねぇ…。」

























――その時、火の中から凄いスピードで何かが飛び出した。



「“超力”っ…!!!!」

「――っ?!」

「はあぁっ!!!!」



ラビはドラゴンに二段蹴りを入れる。



「ぐあぁっ!!!!!!」



ドラゴンの大きな巨体は一気に壁へと打ち付けられ、そこの壁はへこんだ。



「(有り得ねぇ…何てスピードだ!!目で追いきれねぇっ…!!!!)」



立ち上がろうとした瞬間、ドラゴンはまた腹に強烈な二段蹴りを食らった。



「ぐうぅっ…!!!!」



巨体は更に壁にめり込む。


ラビはドラゴンの目の前に姿を現す。



「白兎のスピードなめんなよ…??」



ラビはそう言って構え直した。
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