月から堕ちたアリス
夢、誘う。
「…あ……す………
……アリスっ!!!!!!」
『うわっ???!!!』
耳元で大声を出されたあたしは勢い良く飛び起きた。
『………あれっ??』
そこはカラオケの一室だった。
人気バンド、ラビッツの人気の曲が爆音で鳴り響いている。
「何寝ぼけてんの?!全く、アリスってばいきなり寝ちゃうんだもん。」
『……??瑞希…??』
そこにはいつもつるんでる仲間達がいた。
『あたし…今日みんなとカラオケに来てたんだっけ??』
「おい有村!!俺が歌ってるときに寝るとはいい度胸だなっ!!」
『あ…うん、ゴメン…。』
「あんたいつまで寝ぼけてんの??次ラビッツの新曲入れてるから眠気覚ましに歌いなよ。」
はい、と飽きれ顔の瑞希にマイクを渡された。
言われるがまま一曲歌いきったあたし。
「良いねぇ、アリス!!」
「有村次何か曲入れとけよ。」
「やっぱラビッツ最高だなー!!」
『あ…はは…。』
――何だか凄く長い夢を見ていた気がする。
それに、あたし何か大切なこと忘れてるような気もするんだけど…
気のせい…??