月から堕ちたアリス
――ピピピピッピピピピッ…――
目覚ましのアラームが鳴っている。
あたしはすかさず手探りでアラームを止めた。
『うーん…もうちょっとだけ…』
――コンコンッ――
「優、遅刻するぞ??早く支度しろよ。」
『はっ!!!!』
秀の言葉で覚醒したあたしは超特急で支度をする。
昨日あのまますぐ寝ちゃったから何も支度してなかったんだー!!
遅刻する!!!!
バタバタと階段を降り無意識に玄関に足を向けた。
「優??そんなに慌てなくても朝ごはん食べてくくらいの余裕はあるんだから食べなさい。」
お母さんがキッチンから顔を覗かせて言った。
……そっか。
朝ごはん食べなきゃだよね。
あたしは玄関に向けていた足をリビングに向けた。
「おはよう。」
「おはよう、優。」
「おはよう。はい、今日はご飯とお味噌汁ね。」
『…おはよう。』
家族と挨拶を交わし、昨日と同様、4人で食卓を囲む。
みんなで会話し、その内容に笑みも溢れた。
そして、ご飯を済ませて秀と登校した。