月から堕ちたアリス
『あ…歩…?!』

「…やっぱり優、まだ昨日の疲れ取れてないみたいだな…??」

『そんなことないよ…!!』

「いや、そうだよ。…さぁ、早く帰ろう。」



歩はあたしの手を握ると、あたしの家の方向へ歩き始めた。





あたしは何となくあの神社が気になり、歩いている間も見えなくなるまで見つめていた。





――よく分かんないけど、神社からは不思議な感じがした。




































それからあたしは家に帰った。



また4人で食卓を囲み、お風呂に入り、ベッドへダイブ。






たくさんの心から信頼できる友達がいる。


優しい彼氏もいる。


暖かい家族だっている。


学校生活も順調。





何の不満も無い生活。


とても幸せな生活。





――なのに、何がそんなに引っ掛かるんだろう。



…分からない。







あたしはさっき見た神社を思い出した。



あの不思議な感覚、どこかで………。





…決めた。


明日あそこに行ってみよう。
























『“ゴメン、明日は用事がある。”っと。』



歩から届いたメールにそう返信し、あたしは眠りに就いた。
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