月から堕ちたアリス
次の日、授業が終わるとあたしは急いで学校を後にした。



行き先は、もちろんあの神社。





歩から“どこにいる??”というメールが来ていたが、“帰り道でもう家のすぐ近くだよ。”と返信しておいた。





何となく、あそこには1人で行くべきだと感じた。





学校から急いで走り続け、辿り着いた神社。



何故か妙な懐かしさがある。



あたしは導かれるようにその神社の中へ入っていった。





たくさんの木々の中を迷わず突き進んでいく。





そして大きな湖の前に辿り着いた。



――その時、まだ明るかったハズの空は暗くなり、満月が姿を現した。



『?!まだお昼過ぎだったのに…有り得ない…!!』



その自分の言葉にハッとした。





普通なら“有り得ない”…??



不条理と非現実の世界。

ワンダーランド。



ハートの女王に支配されたその世界。



あたしを迎えに来た少年、ラビ。





――そして、あたしは…










































『…あたしは救世主(アリス)!!!!』



湖に映った満月が眩い輝きを放った。





あたしは全てを思い出した。
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