月から堕ちたアリス
少年は“凛月”を目に捉えると動揺し始めた。



「!!それはまさか…神具か?!君みたいな微弱な力しか無い人が何故神具を扱えるんだ??!!」



あたしは“凛月”の神石に青い光を集中させる。


その光は杖の先に大きく灯った。



『…行くよ、“凛月”!!』



あたしは“凛月”を勢い良く振り下ろしてその光を少年に放った。





「…うわあああぁぁ〜っ!!!!」



少年に命中すると、青い光が彼を包み込んだ。



少年は倒れ込む。



































『………!!』



――そしてあたしは目を覚ました。



上半身を起こして周りを見渡すと、そこはさっきあたしが階段をかけ上がって到着した場所だった。



あたしは階段とエレベーターのちょうど真ん中辺りで倒れていた。



ここで突然夢の中へ引きずり込まれたらしい。



視界に何かが入り、そちらに視線を向けた。



『…げっ…。』



夢の中に引きずり込んできた張本人である少年が、あたしの隣で仰向けに倒れている。



これまさか死んでないよね…??



少年の胸に手を当てて心臓が動いてるか確かめる。



『良かった…動いてる。それにしてもこの子誰なんだろう??』



あっちの世界なら中学生くらいだろう少年の顔をじっと見て、あたしは首をかしげた。
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