月から堕ちたアリス
『何で…何で…』



何度も瞬きしたり目を擦ったりしてボタンを見直す。

どういうこと??!!



『何で5階までしか無いの…?!』



折角エレベーターまでこぎ着けたのに。


こんな高い塔が5階建てのハズないよね…??



『…はぁ。もう仕方無いかぁ〜…少しでも上に行けるならそれだけでも良しとしよう…。』



あたしは5階のボタンを押した。


エレベーターは上に向かって動き始めた。


やっぱり階と階の間は開いてるらしく、意外に時間がかかる。















――そして、





――ポーン…――





目的の階に到着したことを知らせる音が鳴り、エレベーターの扉が開いた。





エレベーターから降りると、扉が目に入った。



何の扉かな…??





扉に近付きまじまじと眺める。





何かの罠、とかいうオチは無いよね…??



中に入ったら夢の中でしたとか、そういうのはもうマジでいらないからね?!





あたしは意を決してドアノブを握り、ゆっくりと扉を開いた。
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