月から堕ちたアリス
――その時、扉がバンッと凄い勢いで開いた。
その音に振り返ると、そこにはあたしの見たことの無い少年がいた。
あたしと同じくらいの年の赤い髪の少年で、金色の瞳は鋭い目付きでこちらを睨み付けている。
な、何で怒ってんの…??
「おいこら白兎!!!!てめぇ何しやがった?!逃げてんじゃねぇぞ!!正々堂々勝負しやがれ!!!!」
その少年は怒鳴り出した。
明らかにラビに対して敵意むき出しだ。
何なのこの人??
ラビはドラゴンだけじゃなくてこの人の相手もしたのかな??
「はいはいもうその辺でなぁ、ルビー。この人は今気絶しちゃってるし。」
リットが宥めるようにその少年に言う。
「邪魔すんなリット!!まだ俺とそいつの勝負はついてねぇ!!」
「この2人はこうして僕のところへたどり着けたんだ。もう何もする必要はない。」
「そんなこと知るかよ!!俺は勝敗がついてねぇのが気に食わねぇんだ!!」
ルビーと呼ばれた少年はリットにまで容赦無く噛み付く。
何て扱いずらい奴なんだろう…