月から堕ちたアリス
「…アリス。」
『はい??』
「今の君に魔法を使えるようにすることは、僕の力ならおそらく可能だ。」
『え?!それじゃあ――』
「だが、君が“凛月”を持っているならそんなことする必要はないんじゃないか??」
『…そう、なのかな…??』
「あぁ。…それになぁ、アリス。」
リットは間を置いてから言う。
「魔法っていうのは、誰かに使えるようにしてもらうものじゃない。自分で力を磨いて得ていくものだ。――この子達のように。」
リットは弟子の顔を順番に見る。
「師匠…。」
「お師匠様…。」
ドルチェとトリルは微笑んだ。
「…だから、大変かもしれないけど…力の無い今は“凛月”の力を借りて、自分自身の力を早く取り戻す。それが得策だ。――これは、魔術師としての僕の意見。」
リットはニッコリと笑う。
…リットの言う通り…。
自分の力は、人に頼って手に入れるものじゃなかったんだ。
「少なくとも、ここに来たことで“凛月”を使うことができた。それだけでも無駄じゃなかっただろう??」
『…はい…!!』
“奇跡の魔術師”リタルダンド。
人は彼を変わった人だと言う。
――しかしそれは、
みんなには無い、彼の暖かくも不思議…そんな魅力から来るものなのかもしれない。
「ちなみにこの塔は地下も5階まであるんだ。じゃないと上下のバランスが悪いだろう??」
………やっぱり、ただの変人…
なのかも………??
『はい??』
「今の君に魔法を使えるようにすることは、僕の力ならおそらく可能だ。」
『え?!それじゃあ――』
「だが、君が“凛月”を持っているならそんなことする必要はないんじゃないか??」
『…そう、なのかな…??』
「あぁ。…それになぁ、アリス。」
リットは間を置いてから言う。
「魔法っていうのは、誰かに使えるようにしてもらうものじゃない。自分で力を磨いて得ていくものだ。――この子達のように。」
リットは弟子の顔を順番に見る。
「師匠…。」
「お師匠様…。」
ドルチェとトリルは微笑んだ。
「…だから、大変かもしれないけど…力の無い今は“凛月”の力を借りて、自分自身の力を早く取り戻す。それが得策だ。――これは、魔術師としての僕の意見。」
リットはニッコリと笑う。
…リットの言う通り…。
自分の力は、人に頼って手に入れるものじゃなかったんだ。
「少なくとも、ここに来たことで“凛月”を使うことができた。それだけでも無駄じゃなかっただろう??」
『…はい…!!』
“奇跡の魔術師”リタルダンド。
人は彼を変わった人だと言う。
――しかしそれは、
みんなには無い、彼の暖かくも不思議…そんな魅力から来るものなのかもしれない。
「ちなみにこの塔は地下も5階まであるんだ。じゃないと上下のバランスが悪いだろう??」
………やっぱり、ただの変人…
なのかも………??