− fifteen −
神崎ゆりでした。
私の大嫌いなユリは
学校中の子に初日で
顔を覚えてもらえたのです。
私なんて三年間
毎日休まず登校しても
しょっちゅう
こんな子いたっけ?と
言われたのに。
それから学校が本格的に始まり
私はユリとクラスも部活も違ったので
特に接点がないまま
たまに見かけるぐらいで
二年間が過ぎました。
その間
ユリの噂は絶えず
耳に入ってきましたが。
○○くんに告られたとか
××くんとつきあいはじめたとか
先輩によびだされて
シメられたとか
女子の派閥争いで
ユリが頂点に君臨しただとか。
全くのデマもあれば
8割方あっている話もあり
私には想像もつかない世界で
ユリは生きていたのです。
それがどんな類の噂であろうと
私はそーいったものを聞くと
胸がモヤモヤするような
いらいらするような
不思議な感覚になりました。