【BL】ネコミミはえちゃった。
まるで、魔法だ。
そして、優しい呪縛だ。
「…めい、さん」
何分も、何時間にも思えるくらいの10秒のあと。
俺が絞りだした名前の人は、何故かぷいっと後ろを向いてしまった。
「めいさんっ…」
じいっと俺を見つめていた目に、まだ痺れる身体が熱い。
明衣さんは、ほんとに気まぐれで、ふわふわで、そのくせ刺さりそうなくらい磨ぎ澄まされていて。
なのに、根っこの部分のやさしさが揺るぐことがないから。
「やっぱお前の方が似合うよ」
だから俺は、そんな言葉でさえ全部真に受けてしまうんだ。
明衣さんのウェスト付近の不自然な膨らみが、苦しそうに疼いているように見える。それをしっぽだと認識するには少し時間が要った。
俺がじっと見つめる背中が言う。
「お前は、俺と居れば良いから」
ほら、突然のこんな言葉すら。
明衣さんのなら、俺の真ん中に入ってくる。