【BL】ネコミミはえちゃった。
それに、立稀には少し楽しみにしていることがあった。
「…しつれーしまぁす」
こじんまりとした体育教官室から返る声はない。そのかわり、がさごそと部屋の奥でうごめく音が立稀に返事を返す。
鮮やかなコバルトブルーが日焼けした肌によく似合っていた。黒髪はツンツンと逆立っていて、たぶん伸ばせば柔らかいくせっ毛なんだろうな、などと立稀は思う。
やはり体育教師であるがゆえ、筋肉はしっかりついているけれど背は立稀よりも小さい。
しいていうなら筋肉質なリス?
違うな、もっと可愛くて―――。
きっとこの人は俺がそんなコトを考えてるだなんて気付いてもいないんだろうけど。
「何やってんの先生」
未だごそごそする様子に見かねて声をかけた。