【BL】ネコミミはえちゃった。
明衣さんの黒い瞳にうつる俺は、泣き出しそうな顔をしていた。
嬉しいような、悲しいような、苦しいような、悔しいような顔を、していた。
離れて、明衣さん。
弱っちい俺。
そのくせ色んなもん抱えてて、がんじがらめの俺。
これ以上、明衣さんに心配はかけたくないから。
そう振りほどいてしまえばいいのに、俺の手首はジンと疼く。
熱を帯びて、力が入らない。
俺の中で勝手に反芻される明衣さんの言葉が俺を焼く。
嬉しくて、悲しくて、どうしようもないと思った。
明衣さんは握ったままの俺の手首を離さなかった。
「お前ら兄弟は俺が守ってやる!…クスリも親父さんも怖くねえから!!」
震える、明衣さんの咆哮。
叫ぶような言葉が染み込んでいく。