【BL】ネコミミはえちゃった。
「……喋んな」
明衣さんの腕の中で暴れていた俺の身体はまるで氷みたいに静止した。
「バレバレだ、このバカ」
後ろ向きに抱きすくめられたまま、明衣さんの指は俺の頬に沿う。
「だからもう泣くな」
逆効果となった言葉のせいで、俺は声を上げないように泣いた。
ぽろぽろとこぼれる涙、言葉。
「……明衣さんっ……俺、」
怖い、と続けた声はろくに音にならずに擦れた。
アイツが───親父が
睦実と明衣さんを巻き込むのが怖い。
「めいさんっ…!!」
叫ぶ。明衣さんを呼ぶ。
明衣さんは応えるように腕に力をこめた。