【BL】ネコミミはえちゃった。
「…朝起きたら、こーなってて」
ぎゅ、と俺の腰に力を込める腕が強くなった。
「……さく、ら」
華奢な身体つきの割に強い握力はベースを手にシャウトする、アーティスト『サク』のものだったけれど。それとは決定的に違う部分を俺は見ている。
七海も純平も知らない朔良が、確かにここにいる。
「ゆき、嫌いになんないで…」
ぶるぶると震えながら俺の腰元に頭をこすりつける我らがベーシストは、涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて言った。
「俺…ネコミミ、生えちまったよお……!」