【BL】ネコミミはえちゃった。
のめない?
って、コーヒーが?
楠木さんの言葉を理解して、
「…っああ!すいません!」
缶コーヒーを奪いとった俺は。
「これっ!」
代わりにミルクティーを突き出して下を向いた。
今でもサンタさんは来てくれるんだろうか。もしそうなら、俺に落ち着きをください。
だなんて、切実に思う。
恥ずかしすぎて死んでしまいそうだ。穴があったらスライディングで飛び込んでやりたいよ。
「ふふ」
楠木さんの声。
けど顔すら上げらんない。
「ありがとう、坂口君」
ぶんぶんと頷くくらいしか出来なかったけど、構わずに続ける楠木さん。
なんていい人なんだろうか。
「それにしても…困った事になったな」
うんうん、と頷くだけの俺。
「実感はないけど…今の俺、
ネコミミ、生えてるんだな…」
楠木さんはそう言いながら、
自身の『耳』に手を伸ばした。