【BL】ネコミミはえちゃった。
どうして、アンタは、
肝心なことには鈍いくせに。
「リツ」
言わなきゃ、わかんないのなら。
――――ガラスの中の俺が小さく笑った。
くるりと方向を変え、俺は先生に向き合った。
…なんだ、こうしてみると小さいんだな。
「先生、」
俺はいたって真面目に先生を呼ぶ。先生は顔を上げずに床を見ていた。
「好きって言ったらどうする?」
その言葉に対して、動揺ひとつ無く先生は俺を見た。
ネコミミもしっぽも先生の視線も、揺れない。
ただ、先生の瞳に俺が居るだけで昇天してしまいそうだった。
この人のことが本当に好きなんだなぁと一人思う。