【BL】ネコミミはえちゃった。
「俺はお前を信じて言ったの」
ドアなんか無い、と俺に示してくれたのは他でもない朔良で。
「ゆきだから、言ったんだよ」
真っ直ぐに届いた言葉は俺に優しく、厳しく突き刺さった。
自分の異変。
それを俺を信じて言った朔良。
俺は、朔良を信じてた?
「ゆきになら、ちゃんと言えると思ったから」
俺は、朔良を解ってた?
「……さくらっ、俺」
「幸弘」
ごめん、と言おうとした俺の言葉を朔良が遮る。
赤く擦れた目尻にまだ涙の珠が浮かんでいて、それがするりと転がり落ちるのが見えた。
「ありがと。居てくれて」