【BL】ネコミミはえちゃった。
「楠木さんも…優しいですよ、じゅーぶん」
優しすぎるくらいに、優しいひと―――そんなコトバは、やっぱりついてきてくれなくて。
それなのに、「傍に居たい」気持ちは膨れ上がっていく。
いつも甘えてばっかりで。
周りを伺ってはため息をついて、満足したフリをし続けて。
そんな自分の事が大っ嫌いで。
だけど、
そんな自分だからこそ……貴方の事を少しだけ解ることが出来たのかもしれない。
「いつも甘えさせてもらってます」
俺にしては素直な気持ちがするりと飛び出す。
ぺこ、と頭を下げると、「あの」しっぽが揺れているのが見えた。
「……それなら、嬉しいな」
上司冥利につきるね、と楠木さんは笑った。
「くすきさんはっ、」
肺の中の空気が全て出ていったかのように、ほうっと息の塊が落ちていく。
「楠木さんは……どうッスか」