恋・したい
『それ本当ですか?』
「先生方が話してたのをちらっと聞いただけですけど…」

やった!これで授業が楽になる♪でもそうゆう事って国語担当の私にゆうべきなのではないの?相当教頭に嫌われてるのかもな。
ラストの授業を終え資料作りを完成させて職員室を出たら教頭から声をかけられた。

「野上先生、明日から国語教員が入るので色々と教えてやってくださいね。お疲れ様」

はっ?それだけかよ!面倒な事は全て私に丸投げなのね。就任してくる人が女性だったらいいなぁ。教え易いし接しやすいもんね。
柚季元気なかったな、メールの返信もなかったし気になるよ。
暫く歩いて駅付近の公園で電話をかける。
銀杏の葉はすっかり黄色くなり、風が吹く度はらり、はらりと飛んでゆく。

プルルルル…
プルルルル…

コール音が耳に冷たい。

(留守番電話サービス…)

プチッ

携帯を畳みため息を吐く。好きだと確信したら余計に柚季が気になって仕方ない。今日一言も話せなかったな…
寂しい、と感じたのは両親以来初めてだった。
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