恋・したい
『おはようございます』

俯き加減で職員室に入り自分の席に座りバッグから教科書と資料をデスクに並べる。

「おはようございます!野上先生」

………
はい?どちら様ですか?
私の隣には誰も座ってなかったよねぇ…

「今日からよろしくお願いします。尾崎と申します」
『こちらこそお願いします。これが今日の授業内容ですので覚えてくださいね』

昨日作った資料と今まで使用していた教科書を渡す為接近したら香水の薫りがした。あ、柚季の薫りと似てるな…

「野上先生すごいですね。毎回作成してるんですか?」
『ええ、手際が悪いので自己作成してます。これから全学年の古文や漢文の授業をお任せしてもよろしいんですよね?』
「もちろんですよ。任せてください!」

みかけはホストっぽいしシャツのボタンは開けすぎだしほんとに大丈夫かしら?まあ教頭が決めた事だと思うからそんなに思い込む事はないか…

「野上先生、尾崎先生」

教頭に呼ばれ職員室の入り口へと。

「野上先生、此方は尾崎諒先生です。最初のうちは色々と話し合いをして授業を進めていってください」

軽く会釈をして授業を行う二年の教室へ向かった。
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