恋・したい
【もうすぐ冬だね。楽しみだな】
『なんで?』
【クリスマスくるし高校最後の冬休みだもん】
『そうね…』

握っていた拳をほどいて柚季の手をとんとんと叩く。

【なぁに?】

唇が触れそうなくらいに近付いてきたから思わず後退りする。

『そっ、そろそろ昼休み終わりじゃない?教室に戻った方が…』
【莉梨愛ちゃん】

柚季が真面目な顔をして見つめてる。心拍数が上がる→血液の巡りがよくなる→よって体温上昇→そして赤面とゆう結果になる。

『どうしたの…』

私が発した言葉は授業開始5分前のチャイムにかき消されてしまった。

【…またあとでね】

屋上の重いドアがバタン!と寒空の下に響いた。顔だけやたら熱い。頬を両手で包み踞る。
びっくりしたぁ。キッ、キスされるかと思った…
あ!今思えば私初恋なんだな。“初恋は実らない”って誰かがゆってたっけ。でもそれって努力次第じゃないのかな?私の場合は実らせちゃいけないのよね…
さっきの眼差しがまだ私の身体を熱くさせてる。
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