恋・したい
「もし予定がなければ今夜お食事でもいかがですか?今後の授業内容についての教え方や情報交換しましょうよ」

キーボードを打つ指がぴたりと止まる。確かにこれからの事を話し合うべきだし私が全部受け持ってた内容や生徒らの情報を話す必要がある。

『そうですね。いい店があるので行きましょうか』
「では授業に行ってきます」

尾崎先生が嬉しそうにしてるのは気のせいかしら…?
教科書と資料を持って一年の教室へ向かった。

『アメニモマケズ、カゼニモマケズ…』

これ好きなんだよね。自分の好きな内容の授業はやっぱり楽しい。

『みんなは何に負けずに頑張ってるかこれに書いてくれ。白紙で出すなよ』

プリントを各列に渡してから星山の側に行く。

『入選したか?』
「あっ、はい!自信がつきました」
『それは良かった』
「お前野上先生と何仲良くなってんだよ」
「俺も話してぇ~」

教卓に戻る時に聞こえた星山に対しての羨望の発言に苦笑いをする。チャイムが鳴ったので後ろから集める様に指示をする。

『出来なかった者は後日持ってくるように』
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