恋・したい
本日の授業はこれで終了っと。職員室で小テストの採点と資料作成の続きをする。

「野上先生、いかがですか?」

なんとなく三浦先生が焦ってる気がした。

『何がですか?』

赤ペンを走らせながら答える。

「あの新しい教師ですよ!」
『だから何がですか?』
「つまり…その…」

モジモジしながら俯いている。

『ご用がなければよろしいですか?今採点してるので』
「すみません…」

三浦先生は私の事が好きなのかしら?今恋してるからなんとなく理解できる気がする。
ごめんなさいね、柚季じゃなきゃ嫌なんだよ。頭の中にはいつも柚季が居るんだ。今までなかった感覚に少しくすぐったくて頬が緩む。

「野上先生、終わりましたか?」

うっ!さっきより香水がキツい…

「尾崎先生、学校に香水をつけてくる必要はありませんよ」

三浦先生が尾崎先生を睨む。

「えっとあなたは?」
「体育教師の三浦です。早く教師の名前覚えてくださいね。野上先生だけじゃなく」
「ああ!体育教師でしたか。なるほど、筋肉バカって事ですか」
「バカなら教師にはなれませんけど」
「体育は身体だけを使う授業ですから知識は必要ないんじゃないですか?」

…はぁ
職員室で喧嘩しないでよね。
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