恋・したい
「野上先生もそう思いませんか?」

呆れた。私に相槌求めてこないでよ…

『職員室で言い争いをする必要はありません』

採点を終わらせたプリントを引き出しに仕舞い鍵をかける。

「さすが野上先生!終わりましたか?」

調子いいな。嫌いなタイプだわ、でも我慢しなきゃ。

『先に行っててください』
「解りました~♪」

現国の教科書をバッグに入れて携帯を開く。

「野上先生!尾崎先生とどこか行くんですか!?」
『授業の引き継ぎと生徒の接し方について話し合いを。お疲れ様でした』
「三浦先生!今日のメニューはなんですか?」

野球部員から声をかけられ私に問いただしたかったけど泣く泣く諦めて職員室を出て行った。
我慢しなきゃ、大人にならないと。覚悟を決めて職員玄関へ向かった。

【野上先生】

この声聞く度に胸が反応する。

『なんだ…?聞きたい事なら明日にしてくれないか?』

平静を装ってるけど心臓ばくばく。
柚季の全てに反応しちゃう。

「野上先生!早く行きましょ♪」

尾崎先生が靴棚のはじっこから顔をひょっこりと出した。
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