恋・したい
火照ってる頬を両手で抑えてぱちん、と叩いた。
マグカップをゆっくりと持っていく。

『熱いから気を付けてね』
【うん…】

あれ?なんか怒ってる?私怒らせるような事したっけ?ココアを一口飲みコートを脱いだ。暖房も効いてきて暖かくなってきたから。ちらりと横目で見ると黙ってココアを飲んでいる…
ソファから立ち上がりカーテンを開け窓から月を見上げた。白くて寒そうな氷の月を。

『あっ!』

流れ星
願い事をする前にあっという間に消えちゃったな。願い事?たくさんあって決められないよ。私欲張りなんだもの。

【莉梨愛ちゃん寒くないの?】

また後ろから抱きしめてくれる。柚季の腕に甘えたくなるよ。

『今日は満月なんだよ、ほら』

空を指差す。

【あ、ほんとだあ】

柚季の声が耳をくすぐる。反応したらまた心臓が激しく動き始める。

【綺麗だね】
『うん』
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