恋・したい
ふら、ふらとソファに寄りかかりそのまま後ろへ倒れる。蛍光灯がぼんやりと目に入った。
えっとね
私は柚季が好きで柚季は私が好き…
これって両想いだよね。うわ、すごいや。
柚季の真剣な顔を思い出してまた胸がきゅんと狭くなった。
クッションを抱きしめ熱い頬を擦り付け身体を小さく折り曲げる。

『ゆずきぃ―、好きだよ…』

ぽつん、と独り言な告白。ふぅ、とため息が漏れる。
柚季の事を想っては、ため息ばかりが吐き出される。言いたいけど言えないジレンマで心はもどかしさ満載状態。
私の狭い部屋に行き場のないため息が充満してゆく。
教師じゃなかったら
柚季の担任じゃなかったら
私も柚季にこの気持ち伝えられるのにな。

“大好き”って

あぁ!もう…
大人ってめんどくさいわ。
< 121 / 244 >

この作品をシェア

pagetop