恋・したい
「莉梨愛ちゃんおはよう!」
「今日も可愛いね」

今日は言い返す気にもなれない。あの後ロクに眠れなかったんだもん。目を閉じると柚季の顔ばかり浮かんできて…さ。
キスされちゃったし!思い出したら一気に顔が熱くなった。

【野上先生おはようございます】

ッ!?
不意討ちだよ、なんでこんな時にっ…

『おはよう…』
【昼休み一緒に過ごそうね。屋上で待ってるから】

柚季の可愛い声が耳元を掠めていった。
朝からこんな事されて私ちゃんと授業できるかわからないよ―!
柚季の意地悪っ!
今すぐ走っていって後ろ姿に抱きつきたいよ。あぁ…もうっ

「野上先生♪おはようございます」
『おはようございます』

気持ちが高揚してたのが一気に冷めたわ。まぁいっか。相変わらず香水キツいな。

「昨日はびっくりしましたよ~。いきなり帰られるんですから」
『すみません、用事を思い出したので』
「今日は僕のオススメのお店に行きませんか?メニューも豊富でお酒もうまいんですよ」
『金輪際お食事はいたしません。今日も授業頑張りましょうね』

きっぱりと言い伝え職員室へ入る。

「野上先生!ご無事でしたかッ!」
『戦争にいったんじゃあるまいし、大袈裟ですよ』

後ろから尾崎先生が入ってきて

「僕が野上先生に何かしたんじゃないかと思ってるんですね。紳士だからあなたみたいにがっついて無理矢理なんてありえませんよ」
「どこをどう見て紳士なんですか?ホストにしか見えませんけど?」

朝からやめてよ~…
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