恋・したい
【ああ、この思いをなんてゆうのだろうか…】
『そこまで。プリント配るからみんなそれぞれ感じた事を書いてくれ。白紙で出した奴には課題をたっぷり出してやる』

各列にプリントを数えて渡してゆく。柚季はなんて書くのかな…

『提出期限は明日の朝のホームルームまで。これから名前を呼ばれた者に課題を渡すぞ』
「何の課題?」
『吉田いい質問だな。今まで私をちゃん付けで呼んでた者にだけ特別課題だ。提出しなかったら…解るよなぁ?』
「りり…野上先生怖い」
「職権濫用だぞ!」
『難しい言葉知ってるんだな。私はこのクラスの担任になった時言ったはずだ、覚えてないとは言わせないぞ』

教室が、シン…となる。深呼吸をして名前を呼ぶ。課題を渡される時の生徒の表情は様々だ。顔面蒼白だったり懲りてない様子だったり申し訳なさそうにうなだれてるし…
渡し終えたらチャイムが鳴った。

「莉梨愛先生はいいの?」
『まあ、ちゃん付けではないからな。ここまで』

日直の挨拶で授業終了。教室を出ようとドアに手をかけたら

【野上先生、お願いします】
『ゆず…佐倉。もう出来たの?早いね』
【一緒に帰ろ、終わったらメールして】

バレない様に耳打ち。柚季の匂いと吐息に心臓が跳ねる。

『また』

教室を出てトイレへ駆け込んだ。
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