恋・したい
振り向いた途端キスされた。

【あはっ!莉梨愛ちゃん真っ赤だよ】

そりゃそうでしょ。誰だって恥ずかしくて嬉しくて紅くなるわよ。
からかわれても反抗する気が起きなかったから柚季から離れてオルゴールが並んでるコーナーへと移動した。
すると俯いてる私の肩を抱き、自分の方に引き寄せ耳に息がかかるくらい近付き囁いた。

【なんで逃げるの?今夜僕は莉梨愛ちゃんの魔法使いなんだから…】
「佐倉様、お連れ様の方は…」

柚季はがっくりと肩を落とし店員に返事をして私の手を引き試着室へと連れてった。

「此方へどうぞ、えっと…」
『野上です』
「では野上様、お好きなドレスをお選びください。サイズが合わない場合やお気に召さない時は遠慮なくお申し付けください」
【莉梨愛ちゃんこれ着てみて】

ずらっと並べられたドレスに目が眩んで手を少し強く握ったけど興奮気味の柚季は気付かなくて私に深紅のドレスを選んでる。

『じゃあ、着てみるね』

店員がドレスを受け取り一緒に試着室へ。ドアを閉め服を脱ぐけどいくら女性同士だからといって初対面の人の前でってのは恥ずかしいなぁ。

「失礼します」

ドレスに脚を通し背中のファスナーを上げてくれる。ドレスはひとりで着れないものね。

「いかがですか?苦しかったり、緩かったりしませんか?」
『いえ、わぁ…綺麗』

鏡に映ったドレスにみとれてるとドアノックが。

【莉梨愛ちゃん見せて~】
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