恋・したい
「では野上様此方へ」

ぼーっとドアを眺めてたら声をかけられはっと我にかえる。
試着室の奥のドアを開けその先へと移動するとたくさんのメイクグッズがずらりとドレッサーに並び、端っこのなんて今にも落ちそうだ。

「此方の椅子へお座りください。失礼します」

人にメイクしてもらうなんて初めてだな。私の顔とドレスを見てどれがいいかパレットを選んでる。

「ファンデーションは何をご使用になられてますか?」
『ごめんなさい。何もつけてないんです』

店員は、えっ!?と小さく驚き私の顔を正面から眺め

「すごい!!こんなに綺麗な肌に出会った事ないわ」

と感激されちゃった。
< 156 / 244 >

この作品をシェア

pagetop