恋・したい
『はっ?』

唐突な質問にマヌケな声をあげてしまった。振り向くと首元には高そうなネックレスが、これでもかと言わんばかりに煌めいて主張している。
多分どこかのご令嬢だろうな。顔を見ると濃ゆ―いメイクで瞬きする度に睫毛がバッサバッサと風をおこしているみたいで私は笑いを堪える。

「さっきから拝見いたしてましたが随分とお親しいのですね。どこのご令嬢で?」

ご令嬢にご令嬢ですか?って聞かれちゃったよ…

『私は彼の担任教師です』

すると彼女は、カアッと頬を赤らめ謝罪してきた。私は訳が解らず彼女に気にしないでとなだめていたら

【莉梨愛ちゃん!ケーキ食べよ~】

両手にケーキを乗せたお皿を持って柚季が登場したら彼女はますます頬を紅くして柚季にお辞儀をした。
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