恋・したい
視線が絡みそれが合図かのようにキスをする。
深いキスを何度も
何度も交わす。
柚季の身体は風邪をひいてるくらいに熱くって
私の心臓は壊れそうなくらいに動いてる

キスの雨が降り注ぐ
唇に
瞼に
頬に
耳に
首筋に
胸に
手に
背中に
脚に―

止むことはなくむしろ激しくなっていく。

ゆずき
ゆずき
ゆずき

甘い痛みのなか
必死に背中にしがみつく
このままふたりで
消えてしまいたい

溶けてひとつに重なりたい

そうおもうのは
他の誰かでもなく
あなただから

『ゆ…ずき』

一瞬私の呼び掛けに反応した?
気がつかなくったっていいや
そっちの方が都合がいいから


『すき…』


掠れた声が静かに消えた…
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