恋・したい
ざぱっと音をたて逃げるように湯槽から脱出し脱衣場へと移動、バスタオルにくるまる。

うわ―
うわ―
うわぁ―!

眠気なんてどこかにふっとんで思考回路は柚季で独占されて心臓は暴走したバイク並みに喧(やかま)しくて身体がついていかない。


もう
なんだか
疲れちゃった…

『っくしゅん!』

湯冷めしたみたい。
また風邪ひいちゃうと心配するから服着なきゃ。タオルを巻き直しリビングへ戻ると心配顔の由宇が

「湯中りしてない?はい、お水」
『いや…ふぇっくしゅん!』
「え!?どこで話してたの?」

鼻をすすり擦って

『お風呂でだけど切ったあとが長くてさ…』
「だって30分も何してたの?」
『30分!?そんなに経ってたの!?』
「もうっ!早く着なさい」

由宇に叱られて肩をすくめる。
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