恋・したい
まだすっきりしない頭で着替えを始める。瞼が腫れてて半分しか開かないから見え難い。

『ねぇ、こんな顔じゃ出かけらんないよ』
「ご飯食べてから冷やそうね」

テーブルにはすでに温かい朝食が出来上がっていて昨日のカレーの匂いが鼻に届く。

『頂きまぁす!これ何?オムライス?』
「オムカレーにしたんだけど…」

スプーンですくって口に運ぶと心配そうな由宇の顔…

「辛くない?」

答える代わりに、にこっと微笑むと安堵の表情を見せて由宇も食べ始めた。
食事を済ませ後片付けをして氷水を含ませたミニタオルを両瞼に当てる。

「う~冷たい!どれくらいこのままで居るの?」
『15分くらいかなあ』
「長いよ!」
『仕方ないじゃん』

目を閉じて真っ暗な世界の中お互いの表情を想像して会話をする。
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