恋・したい
奥へとあまり人が居ない場所へ進み、立ち入り禁止と書かれたプレートを下げたロープが立っているのを無視して入っていく。

『いいの?立ち入り禁止って書いてあるよ』
「いいの。だってこれ由宇が置いたんだもん」

左へ曲がる廊下に倣(なら)って進むと、はっと息を飲んだ。

あれは、あの絵画は

「もっと近くで見てよ」

静かに頷き滑るように足を運ぶ。

由宇が描いてくれた私は背中に真っ白な翼が生えていてこれから空へ羽ばたいて行こうとしてる雛鳥のようだ。
でも私を取り囲んでいるのは卵の殻じゃなくて冷たい氷。
氷が溶けて久しぶりに青空を見れたとゆう表情も伺える。

「一番に見せたかったんだ」
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