恋・したい
「どうしたんですか?ひとりで」
『今柚季に会いに行こうとして…迷子になってたの』

うう。恥ずかしい。

「ゆずちまだ怒ってるんですかっ!?全く~」

柚葉ちゃんは拳を握りぱしんと左手に叩いた。

『電話もメールしてもダメで直接会わなきゃって』

まずい、泣きそうだ。

「寒いし早く帰りましょう」

柚葉ちゃんは泣きそうな私の顔を知らんぷりしてくれて先に歩いてゆく。
小さい声でありがとうと呟いたけど雪を踏む音の方が大きくて感謝の言葉は雪へと吸い込まれた。

「先生はあたしの後ろから出てきてくださいね」

呼び鈴を鳴らしガチャッと扉が開いた。

【あ、おかえり】
「ゆずちお腹へったんだけど」
【じゃ何か作るよ、何がいい?】

柚葉ちゃんが手招きをしたから後ろから玄関へと入る。

「パスタ二人分ね♪」
と笑う柚葉ちゃん
【りっ…】
と言葉を失い驚愕の表情の柚季
『お邪魔します』
と涙目の私…
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