恋・したい
佐倉家の広い広いキッチンで柚葉ちゃんと一緒にソファに座って柚季の料理を待つ。

「まずは仲直りしてから喧嘩してくださいね」
『柚葉ちゃん何を…』
「この前の喧嘩の仲直りをして、それから言いたい事言って喧嘩するの!先生まだ話してないんでしょ?」
『そうね。ありがとう』

仏頂面の柚季が真っ白なお皿に真っ赤なパスタを盛って持ってきた。

【ペンネのトマトソース】
「頂きます♪」
『頂きます…』

黙々と食べる私。静かな時間が流れる。

「は―美味しかった。シャワー浴びてこよっと。じゃ先生ごゆっくり」

柚葉ちゃんはパタパタとキッチンを出て行った。フォークを置いてお茶を飲んでごちそうさまをして

『そろそろ決心ついたの?』

………
………
なんで無言なのよっ!なんかだんだん腹が立ってきたんですけど。

『ちょっと!なんで黙ってるの?柚季の気持ち聞かせてよ』

なおも黙ったままの柚季に感情をそのままぶつける。
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