恋・したい
バスタブにローズエッセンスを数滴垂らし、手でかき混ぜる。
バスルームに薔薇の薫りが漂って私の鼻腔をくすぐる。

『はぁ―、いい匂いだなぁ』

ゆっくりとお湯に浸かって1日を振り返る。一番先に頭に浮かんだのは
柚季
男だったんだね…
細くて可愛くて髪も長くて、身長は私より少し高いくらいで
てっきり女の子かと思い込んでた。

ああ、なんか
馬鹿みたい

男と女の区別がつかないなんて私駄目だなぁ。
柚季を男として意識しだしたらなぜか恥ずかしくなる。
囁かれた事を思い出したら熱くなった。
深呼吸をして薔薇の薫りを肺いっぱいにして少し落ち着かなきゃ。
バスルームを出たのは二時間後の事だった。
< 37 / 244 >

この作品をシェア

pagetop