恋・したい
「莉梨愛ちゃんおはよ」
「今日も可愛―ね」

生徒の挨拶は毎日ほぼ無視してる。
まぁ、挨拶と呼べないから返す必要はない。

【野上先生おはようございます】

どきっ

『…おはよう』

柚季が隣に並んで歩き出した。

【莉梨愛ちゃん大丈夫?体調悪いの?】

また耳打ち。
全身が熱くなるのが解った。

『大丈夫だ。気にするな』

顔が見れない。早足でその場を去る。

【野上先生!!】

柚季が私を呼ぶ。
ただそれだけなのに、私の身体が反応する。
周りの気温よりも、私の体温が高いと錯覚した…
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