恋・したい
二回目だけどやっぱりお店の雰囲気好きだな。
ふと絵画に目が留まる。

『柚季、あの絵ってゴッホでしょ?』
【うん。有名だよね。莉梨愛ちゃんゴッホ好きなの?】
『あの絵は好き…なんか温かくなる感じがするから』

柚季は上半身を捻ってゴッホのひまわりを見てる。

【そうだね。僕も好きなんだ、あれはコピーだけどね。今度美術館行こっか♪】

それってデートって事!?まずいよ、だって…

【課外授業の一環としてって事にすればいいんじゃないかなあ】

………
私の心を読んだみたいにさらっとゆってのける。

「お待たせ致しました。此方は…」

料理が運ばれてきて、私の食欲をそそる香りが立ち込める。

【ワイン飲む?赤にする?白がいい?】
『遠慮するわ。頂きますっ』



【莉梨愛ちゃんデザート食べる?】
『もう、お腹いっぱい…』
【じゃ送るね】

レストランのボーイに会釈してお店を出た。
『私この前会計してなかったよね。いくらなの?』

バッグからごそごそと財布を出す。

【いいよ。僕が強引に付き合わせたんだから莉梨愛ちゃんのレンタル料金♪なんちゃって】

悪戯っぽく舌を出して笑う柚季から目が離せなくて
私の心臓はますます鼓動が早くなって…

なんだろう
この感じ
胸の真ん中がこそばゆい

柚季は
ほんとの私を
見てくれるの…?
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