恋・したい

｢野上先生♪休日出勤お疲れ様です｣

職員室に入ろうとしたら三浦先生が声をかけてきた。
…会いたくなかったけど三浦先生って野球部のコーチなんだよね。
適当に挨拶をしてドアを開ける。
幸い誰もいない。自分の席に着き資料と教科書と辞書を机に並べる。
パソコンに電源を入れ、教科書を開き授業内容を打ち込む。

カタカタカタカタ…

カキ―ン

｢走れ―！｣

野球部頑張ってるねぇ。この暑いのに外で運動出来るなんてよっぽど野球が好きなのね
なんて当たり前の事考えながら仕事を進める。

｢佐々木先生！美術室開けて…って野上先生！？｣
『おう、…誰だっけ？』
｢ひでぇ―、星山だよ。一年の｣
『私が開けてやるよ、待て』

鍵置き場から鍵を取り星山と美術室に向かう。

｢野上先生と一緒に歩くの初めてだなぁ。先生髪綺麗だね｣

腰まである髪は私の自慢だ。手入れもしてあるから誉められるのは当然…って調子に乗ったら駄目、謙遜しなきゃね。