恋・したい
「先生ってハーフ?」
『ああ、フランスだ』

カチャリ

ガラッ

『ほら、帰る時は私にゆうんだぞ。佐々木先生に今日来る事は伝えたのか?』
「言ったけどもしかしたら忘れられたかも」

佐々木先生はどこかヌケてる人だからなぁ。ぼやん、としてるしな…

『星山は熱心だな。コンクール近いのか?』
「はい、選ばれたいから頑張ります」

うちの学校は部活動が盛んだ。県大会で優勝したりベスト4に入ったり優秀な成績を残している。
勉強の成績も上がればもっといいんだがな。
くるりと向きを変え、職員室に戻る途中、

「あれ―、莉梨愛ちゃんじゃん」
『教師をちゃん付けで呼ぶなと何回言ったら解るんだ?』

ぎろっと睨みフンッとそっぽを向いた。

「莉梨愛ちゃん待ってよ~。山ちゃん知らない?」

手首を掴まれた。

『いやっ!』

ばっ!!
思い切り振りほどくと同時に走った。
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