恋・したい
『由宇っ!すごいじゃん!!』
「りぃ落ち着いてよ。はい、ビール」

いつもの居酒屋で乾杯。メールの内容は夢叶ったよ。
それだけで解った私は嬉しすぎて由宇に会いに行き、居酒屋に来たとゆう訳である。

『よかったね!無事美術の先生になれて』
「これでバイト生活とはオサラバだ―♪」
『いぇ~い♪』

カツンとグラスを合わせる。

『あ、由宇これから忙しくなるねぇ…、毎日来れないよね』

ピザをかじりながらため息を吐いた。由宇のご飯食べれなくなるのは嫌だなぁ。

「由宇はりぃみたいに教科書の内容パソコンに打たなくてもいいし、難しい本や小説も読まなくていいしね。やる事はデッサンの勉強くらいだよ」

項垂れる私の頭をよしよしと撫でる。
顔をガバッと上げ満面の笑みで

『私に出来る事があったらなんでもゆってね!』

そしたら由宇は

「実はあるんだな―♪でもりぃ毎日大変だもんね」
『学校は土日休みだから明日は大丈夫だよ』

由宇は少し残ってるカルアミルクを一気に飲んでこう言った。

「泊まりに来ない?久しぶりにさ」
『お父さん居る?』
「単身赴任になったから居ないよ。なんで?」

私は由宇のお父さんが嫌いだ。初めは仲良くしてくれてるんだと思ってたら目的は身体だった。
大学一年の頃由宇の家に遊びに行った時、買い物してくるから待ってて、と一人で部屋で雑誌を読んでいたらいきなり由宇のお父さんが私を押し倒し、キスしようとした時に
由宇帰ってるの?とお母さんが玄関から呼び掛けた声が聞こえて、慌てて離れた隙に部屋を飛び出してお母さんにお邪魔しましたと告げて走り去った以来行ってない。
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