恋・したい
「柚季君とはどうなの?」

語尾をあげて意地悪そうに由宇が聞いてきた。パソコンを打つ手がぴたりと止まる。

『別になにも』

極めて冷静に答えたつもりなのに

「強がりはよくないぞ。何年一緒に居ると思ってんの、ほらさっさと白状しなさい!!」

と首にしがみついてきた。

『真面目に…苦しい…』

ごめんごめんと由宇が背中をバンバン叩いた。痛いってば。
パソコンを閉じ、由宇の横に座る。ふわりと甘い香りが鼻腔に入ってきた。

『由宇いい香り。シャンプー何使ってるの?』
「そんな事より柚季君!」

そんなに急かさなくても話題は逃げて行かないよ…
柚季と居ると胸がこそばゆくなる事、触れられたら熱くなる事、恥ずかしくなって顔が見れなくなる事、冷たい態度をとらなくてもいい事。自分が思ってる全ての気持ちを話した。
由宇はう―んと顎に手をあてて考えた後

「柚季君の事は怖くないんだね。りぃにとって特別なひとになってるの解る」

真っ直ぐ私を見つめる由宇。ほんとの私を見てくれる大切な友達。

「それに…」
『まだ何かあるの?』
「話してる時のりぃの顔、恋する乙女の顔してたっ♪」

あははと笑う由宇に

『恋する乙女の顔ってどんなのよ―!』

クッションを顔に押し合てた。柚季の話するとなんかくすぐったいんだもん!!
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