恋・したい
『セミヌード…って事?』

躊躇いながら尋ねる。そうよ、と私の問いかけに答えた由宇の目はいつになく真剣だったから覚悟を決めて服を脱いだ。


「あっ、…休憩しよっか」

立ち上がり由宇が背中からタオルをかけてくれて部屋を出て行く。私は火照る頬を両手で包み、ふうと一呼吸して着替えた。
テーブルに置かれたスケッチブックと芯が減った鉛筆。そういえば由宇の描いた絵って見た事ないなあ。高校も大学も専攻別だったし夢に向かって必死だったからお互いどんな事勉強内容なのかなんて話す余裕なんてなかった。
好奇心が私の身体を動かした。スケッチブックを手に取り、ゆっくりと開―

「ダメ――っ!!」

紅茶のペットボトルとスナック菓子を放り投げ素早く私の手からスケッチブックを奪い取った。
呆気にとられてる私に

「スケッチブック見るの絶対禁止だからねっ!!」

とミルクティーのペットボトルを渡しながら注意された。

『少しくらいいいじゃない。由宇の絵見た事ないんだもん』
「完成したら見せるって」

スケッチブックを私に見られない様に仕舞う。ちぇっ、つまんないの…
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