恋・したい
「野上先生お疲れ様でした」
『お疲れ様でした』

外はすっかり暗くなっている。美術顧問の佐々木先生が職員室を出て行く。さて、これが終われば帰れるな。
荷物をまとめ、バッグに詰める。出来たばかりのプリントを揃えて引き出しに仕舞った。職員室と廊下とトイレの電気も消して真っ暗になった学校に携帯の小さな光がぼんやりと映る。暗闇に頼りない微かな光が私の足元を照らす。玄関までもう少し…

カツ―ン!
ドサッ!!

『誰なの!?』

何者かに突然後ろから抱きしめられ、引きずられた。

「しっかり掴んどけよ」
「早くしろよ!」

二人居る。冷たい廊下に仰向けに寝かされた。両腕を押さえつけられて更にもう一人は私に馬乗り状態。必死で抵抗する。

『何だよ!?こんな事してただで済むと思うなよ!!』
「そんな口きいてられるのも今のうち♪誰も助けにこねえよ」

ビリッ
ビリリッ
ワイシャツのボタンが私の首筋を掠めていった。全身に鳥肌が立つ。
―イヤダ
アノトキトオナジ―

『きゃぁぁぁぁぁぁッ!!いやぁ――――!!!』

腹の底から思いっきり叫んだ。
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